芋煮

2019/10/15

味わい道しるべ

芋煮〜仙台・宮城風と山形風。どちらも心まで温めてくれるわれらが郷土の味。

-秋深き隣は何をする人ぞ(松尾芭蕉)-秋の芋煮会で気になるのは、お隣さんの鍋の中身でしょうか。材料・味付けなどグループの数だけレシピがあるといわれる芋煮。大きくは「仙台・宮城風」と「山形風」に分けられます。どちらがおいしいか、などとしばしば論争の的(?)となる“われらが郷土の味”です。
「仙台・宮城風」は、豚肉・里芋を主な材料に、好みの野菜やキノコをたっぷり入れて、仙台味噌で味付けしたもの。ちなみに仙台味噌は、伊達政宗が城下の味噌醸造所で作らせたのが始まりとされています。辛口の赤味噌で、豊かな風味か特徴です。「山形風」は、牛肉・里芋・こんにゃく・ネギをしょうゆ・酒・砂糖とともに煮込みます。大手食品メーカーが販売しているカップ麺の芋煮うどんは、しょうゆ味の山形風です。
芋煮をする人の姿で賑わっていた河原が静けさを取り戻すと、新しい季節の到来。ひそやかに師走の足音も聞こえてきます。