仙台牛タン焼き

2019/08/09

味わい道しるべ

仙台牛タン焼き

写真提供:仙台市観光課

仙台のご当地グルメの代表格「仙台牛タン焼」が誕生したのは戦後まもなくのこと。市内の焼き鳥店「味太助」の初代店主(佐野啓四郎さん)が、当時、日本人にはあまりなじみのなかった牛のタンとテールを用いたメニューを提供し始めました。牛タン定食が成立するのは1950(昭和25)年。炭火でじっくり焼いた牛タンに野菜の浅漬けと味噌南蛮、麦飯とテールスープという組み合わせは、戦後の食糧難を乗り切るアイデアでもありましたが、牛タンは高タンパク・低脂肪、ビタミン・鉄分・タウリンを多く含む部位とあって栄養的にも優れたものでした。
しばらくの間、“知られざる珍味”だった牛タン焼きが広まっていくのは高度成長期。外食の機会が増え、仙台の支店経済を支える転勤族や、観光客(NHK大河ドラマ『樅の木残った』でご当地ブーム)の間で評判を呼び、専門店も次々とオープンしていきました。そして昨今では、飲食店の進出により“仙台発祥”の味が全国へ。旅先で仙台牛タン焼きのお店を見つけることは、仙台市民の誇りでもあり喜びです。

杜都・美味 -moritobimi-

たん焼き 山梨

牛たんA定食 1,400円(税込)

私がこのお店を好きな理由(ワケ)

ちょっと強面の(実はとてもやさしい)親方が調理場を預かり、おかみさんが細やかな気配りで切り盛りするお店。県庁・市役所がある官公庁街からほど近い場所にあります。親方は、仙台牛たん焼き発祥の「味太助」で修業をして独立。素材の吟味から仕込み、焼きまでをすべて一人で、妥協することなく行い、“たん焼き山梨”の看板を支えてきました。牛たん焼きはボリュームたっぷり、噛むほどにじわじわとうまみが広がるおいしさ、しっかりとした歯ごたえで満足感も満点です。つけ合わせのきゅうり漬けが、これがまたいい仕事をします。テールスープでつくるラーメンも大人気。ぜひお腹をすかせて訪問してください。

味の牛たん 福助

牛たん焼き定食 1,500円(税抜)

私がこのお店をおすすめする理由(ワケ)

仙台駅の近くで牛たんを食べたい、という時におすすめしたい店。福助さんの牛たん焼きはひと言でいうと上品な味。控えめ、かつ絶妙な塩味が、素材本来の味を引き立てています。ジューシーでやさしい食感に促されてお箸も進みますよ。ごはんは麦めしではなく、白米で供されます。また、いち早く「牛たんしゃぶしゃぶ(要予約)」をメニューに取り入れたお店としても知られています。仙台駅前に最も近い商店街「ハピナ名掛丁」には、福助さんの他にも「善治郎」「司」「利休(2店舗)」「大福」(敬称略)と人気店が並んでいます。それぞれのお店が競い合い、年々おいしさを増す仙台の牛たん焼き。ぜひ食べ比べてみてください。

味の牛たん喜助 定禅寺店

平日ランチ牛たん炭火焼定食 1,365円(税抜)

私がこのお店に注目するワケ理由(ワケ)

喜助さんは、現在、市内に7店舗、東京・神奈川・大阪・名古屋に8店舗展開しているそうです。仙台の牛たんの知名度向上に鋭意努力される一方、新しい味わいの開発にも挑戦されてきました。たん焼きの塩味に加えて、たれ味、みそ味のラインナップ、まろやかな味わいの牛たんシチュー、これなら日替わりでいけますね。秘伝の味付けをした“たんミンチ”を熱々の豆腐にかけた「たんとうふ」は、お酒の肴にぴったりです。厚切りの牛たん焼きには深めに切り込みが入っていて食べやすく、ひと口ごとにうまみがにじみ出てきます。強めに火の入ったところも香ばしくてなお良しです。これぞ“ザ・牛たん”という味わいです。