ずんだ餅

2019/11/11

味わい道しるべ

ずんだ餅〜枝豆の旬をいただく、ふるさとの味。製造・保存技術の発達で、季節を問わないおいしさに。

写真提供:(公財)仙台観光国際協会

仙台名物といえば、牛たん焼き、笹かまぼこ、仙台牛、そして緑色も鮮やかなあのスイーツ――そうです、最近、主役級の存在に躍り出た「ずんだ餅」です。
“ずんだ”とは、茹でた枝豆をすりつぶしてつくった餡のこと。旧仙台藩領を中心とした東北一帯、北関東の一部の地域で郷土料理(甘味、あるいは塩味の和え物など)として親しまれてきました。枝豆の旬が夏期であったことから、お盆の供え物や帰省客のもてなしとして、各家庭で作られてきたという背景があります。
現在では製造・保存技術の発達により、ずんだ餅は一年中楽しめるように。さらにずんだは、洋菓子やスナック菓子の素材にも広く使われるようにもなりました。有名タレントがメディアで絶賛した「ずんだシェイク」は、登場からしばらく経った今でも行列が絶えません。目新しいスイーツが次々登場する中でも、色褪せない人気と魅力。これが郷土料理=ソウルフードの底力なのかもしれません。